#14

PEACEMAKER PEACE MAKER


・内容
主人公は押入の中で、両親が殺されたときのことを演出のかかったトラウマ映像で思い出す。
両親を殺した蛇目の男が、昨晩会ったスズの主人だったためだ。


そんな主人公を案じて回廊から様子を伺う山南さん。
隊長格の三人は、主人公の兄を囲んで昨晩何があったかを話している。
このことに触れられたくない兄・辰之助は切れかけたそぶりで三人を追い払う。
そこへ沖田がやってきて、親の敵が現れたこと、心の傷は癒されるか、忘れることが解決策か、と言ったことを話し合う。
辰は弟を安全に真っ当に育て、忘れることで心の傷を閉じさせようと考え退かない。


明里がサヤに三味線の稽古を付けている。しかしサヤは上の空。
明里はサヤが主人公を好いていることを見抜き、優しく言葉を掛け、自分の恋愛についても憂う。


夜中に鉄之助は空腹に耐えられなくなって押入を出る。
そこで、あゆ姉と会い、遅い晩飯を食べさせて貰う。その間、あゆ姉は少々カウンセリングの言葉を掛ける。
姉の様だと言ってあどけなく笑顔を見せる鉄之助。あゆ姉は幼い弟の面影を重ねて、彼を抱きしめて泣く。
忍として育てるために厳しく育て過ぎて、感情が分からない弟にいろいろ教えて欲しいと頼む。
そうして、あゆ姉は夜の仕事に出ていった。

・原作とアニメ考
原作ではこの回はあゆ姉の見せ場、アニメはシリーズ構成をいじっているので盛り上げ押さえ気味となっていた。
ここからスパートしてもいいのでは…原作と順序を変えて、坂本竜馬とか斉藤一とか出しているので
ここからスパートしたらちょうど上手く予定調和で終われる気がする。
つまり、いきなり終わって続編期待させるようなつくりではなくということ。

ぬるい話は観てられないのがイタイ。ガンガン厳しいドラマしてってもいい気がする。
つまり、ギャグとシリアスのバランスは、もうちょいシリアスな方が作品として盛り上がると思う…って
それは個人的好みだろうか。幕末新撰組もの素材として惜しい気がする。
アニメにする際の原作との違い作りは、原作の手薄なところや、良くないところ、やり切れていないところ、
こうしたら違う盛り上がりが出来るとかいう冒険を目指した方がいいと思う。


しかし、先週の日記でも書いたように、この作品では印象として原作の枠を越えず、
中途半端な、manege(何とかする)レベルのてこ入ればかりで残念。


一方、「原作と一緒でいいじゃん」というのはなぜだめか。
非生産的だから。←これでは弱い…
この主題をちょっと考えたい。まだ考えが浅いので、きっといっぱいおかしい部分があると思われ。


後述 20040116
いろいろ考えたのだが、この作品は新撰組新撰組くさくなく扱うことだけがオリジナリティなので
この調子でいいのかもしれない。存在意義というやつだ。
新撰組と謳わず、仕組みと時代の雰囲気を借りた完全オリジナル作を作ればよかったじゃないかと思う。
だが、そこは企画物の漫画であることだし。しかも、こうしないと個性が立たない。
これは言っちゃいけないことだろう。
この漫画から新撰組を抜くと、オタク系女の子向け漫画に他にもある感じのものになる。


るろうに剣心を今改めて読みたいのは、この点で、
つまり、新撰組を謳わず、気を引く道具に上手く利用してオリジナルな漫画を構成したことに興味があるからだ。
パクリが多いというが、それは問題ではない。気のいいサービスだ。